今回は山田鐘人/アベツカサ先生の
「葬送のフリーレン」3巻を読んだので紹介したいと思います。
この記事は高確率でネタバレを含みます。先を知りたくない方はブラウザバックしてくださいませ。
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葬送のフリーレン 3巻 あらすじ
前巻ネタバレはこちらから
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「断頭台のアウラ」とその部下達を相手に戦う事になったフリーレン達。
敵は強大でしたが、
フリーレン達はそれぞれの師匠からの教えを忠実に守って修行を続けてきた身。
その成果もあって3人は見事に勝利を修めます。
グラナト領を抜けてさらに北を目指す中、
「時が経ち過ぎて忘れ去られた偉人」や「人々の都合で歪められていく歴史」に触れていく一行。
そして彼女達は「ザイン」という素晴らしい才能を持った僧侶の青年と出会うのですが……?
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葬送のフリーレン 3巻 ネタバレ
かつて魔王直属の部下だった魔族、七崩賢「断頭台のアウラ」と戦う事になったフリーレン。
二人は80年前、勇者ヒンメルの魔王討伐時にも顔を合わせており、これが80年ぶりの再会となります。
今回、フリーレンがたった一人なのに対し、アウラは大量の首無し兵士を操って大軍を形成していました。
それを可能としているのが「服従の天秤」と呼ばれるアウラの魔法です。
負ければ当然アウラが相手の操り人形になってしまうわけですが、魔法にはリスクが高いほど強大になるものもあるそうです。
そして500年以上も生きる魔族のアウラは、その魔法力も膨大。
服従の天秤が持つ
「強い意志を持つ者ならば、魔力勝負で負けても短時間ながら抵抗できる」という弱点も一応は存在。
しかし、その弱点を補うため、アウラは服従させた相手を即・斬首し、ゾンビとして操る方法を取っていました。
そんな不死の軍団に対し、フリーレンは単純に攻撃魔法で敵を粉々に吹き飛ばすのではなく、解呪の魔法を使って無力化していく方法を選択します。
80年前の戦いでは魔法でゾンビを破壊していたそうなのですが、戦闘後にヒンメルから怒られたり、ハイターが敵の亡骸を弔っているのを見たりして、反省したようです。
そうしたフリーレンの行動をアウラは「もう死んでるヒンメルの事を気にする必要ある?」と不思議に思います。
それにフリーレンは
「やはり魔族とは相いれないから、容赦なく殺せる」と杖を構え……。
どうなる・・!
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一方、領主グラナトを魔族から守ったシュタルクとフェルンは、彼から情報を得た後で残った魔族と戦闘に。
魔族の内の一人は斧使いの少女リーリエで、その技は戦士アイゼンのものと瓜二つでした。
リーリエには、敵の魔力の流れを記憶して、その動きを再現できるという特技があったのです。
リーリエ曰く、今の技は彼女が記憶してきた中で最強の戦士のもの。
その力の前に苦戦するシュタルク。
しかしアイゼンから教わった
という教えを思い出し、ボロボロの体で戦闘を続行。
そして、リーリエがいくら動きを真似てもアイゼンの一撃の重さまでは真似できていないと気付いた彼は、あえて一撃目の受ける事でリーリエの隙を作り、カウンターで彼女を両断。
その頃、リュグナーと魔法の撃ち合いになっていたフェルンも、その尋常ではない魔法の発動速度で敵を圧倒します。
リュグナーはフェルンの実力を大きく見誤ってしまったのですが、それはフェルンがフリーレンの教えを守り、常日頃から身に帯びる魔力を最小限に抑えていたから。
魔族の階級は基本的に魔力の多寡で決まるため、
魔族には「自分の魔力をあえて抑えて弱く見せる」という真似はしません。
この騙し技は、元々はフリーレンの師匠であるフランメが彼女に伝えたもの。
そして、この魔力量の偽装にアウラもまた引っかかろうとしていました。
ということは・・。
フリーレンが不死の軍勢の大半を解呪魔法で無力化した後で、アウラはフリーレンに対して服従の天秤を使用します。
フリーレンの魔力が消耗している今ならば確実に勝てるという算段だったわけですが、しかしフリーレンは普段の魔力放出量を1/10以下にまで抑えている偽装の達人。
なんと・・笑
実はフリーレンは幼い頃に集落を魔王の軍勢に滅ぼされ、そこをフランメに拾ってもらい戦い方を教えてもらったという過去がありました。
そのため魔族を討つためなら厳しい修行も続けるし、魔力を隠すというある種卑怯な手段も厭わないという精神の持ち主。
彼女はフランメに言われた
という言いつけを守ってきたのです。
そのため、アウラもフリーレンの本当の魔力量を全く把握できておらず、服従の天秤による魔力勝負で惨敗。
フリーレンの操り人形に堕ちてしまったアウラは、命じられるままに自分の首を切り落としてこの世界から消滅するのでした。
__
戦闘後、グラナト領主の計らいでここまでの色々を全て不問にしてもらったフリーレン。
彼女達は褒美として、街の防御結界を記したフランメの魔導書(の偽物)を貰った後で、改めて北へと出発します。
ただし大陸北側の情勢は乱れているようで、先へ進むためには一級魔法使いの資格が必要になっていると判明。
その資格は大陸魔法協会が認定しているもので、ちなみにフェルンは三級魔法使いです。
フリーレンはというと、「人間の魔法管理団体ってコロコロ変わるから、いちいち資格を取って回るのも面倒くさい」として最近は無資格状態。
何か資格に関わっている様子の「聖杖の証」というアクセサリーをフェルンに見せてみますが、それは既に骨董品扱いでした。
そのため、まずは一級試験を受けられる魔法都市オイサーストを目指す事に。
オイサーストへの道中で吹雪に見舞われたフリーレン達は、
山の麓の山小屋に避難し、そこでそのまま冬を越す事になりました。
山小屋には既に先客がおり、
「クラフト」というそのエルフの武道僧(モンク)と共に半年ほど過ごします。
クラフトはどうやら名のある武道僧だったようなのですが、その活躍から相当の年月が経っているのか、フリーレンを含めて誰も彼の事を知りません。
そんな彼は神を信仰しており、その理由を「死んだら女神さまにその人生を褒めてもらいたいから」と語ります。
彼は、フリーレンよりも長く生きているエルフとして、誰からも自分の人生を忘れ去られていく寂しさを彼女に語ります。
そしてフリーレンに自分を褒めてくれた友人達がかつていたのを知ると、「なら天国でまた会えるだろうな」と笑ってくれるのでした。
__
クラフトと別れた後、「伝説の勇者の剣」が封じられていたとされる「剣の里」を訪れるフリーレン達。
勇者の剣は洞窟の中に刺さったまま誰にも抜けなかったそうなのですが、80年前の旅で勇者ヒンメルが遂に抜き放ったのだとか。
ここには「半世紀に一度は訪れて、剣の祠近くに集まってくる魔物を退治する」という約束を交わしていたフリーレン。
しかし訪れたのは80年ぶりで、到着した翌日には早速魔物退治をする事になりました。
そして祠の様子を見に行ってみると、
そこにはヒンメルが抜いて行ったはずの勇者の剣がまだそこに。
実は、ヒンメルもまた勇者の剣を引き抜く事はできなかったのです。
つまり剣の判定結果では「ヒンメルは偽物の勇者」となるわけです。
それでも彼は
と笑って旅を続行。
そして見事に魔王を討ち、そんな彼をフリーレンは「本物の勇者」と誇らしく語ります。
が、「ヒンメルは勇者の剣を抜けなかった」というエピソードは英雄譚として美しくないため、この事実は隠されてしまいました。
それがバレては都合が悪いという事もあって、
剣の里はフリーレン以外に魔物退治を依頼できなかったようです。
「こんな風に英雄の話は人々に歪められ、いつか原型も無くなるんだ」とフリーレンは少しうんざりしたような顔を見せるのでした。
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シュタルクの18歳の誕生日。
事前に知っていたフリーレンと違い、当日にいきなり知らされたフェルンはプレゼントを用意していません。
仕方なくシュタルク本人と一緒に街を回りながら誕生日プレゼントを選ぶフェルン。
しかしシュタルクは故郷の村にいた頃はまだ弱く、その扱いも雑で、誕生日プレゼントを貰った記憶がないそうです。
しかし兄弟で一番強かったという兄だけはシュタルクを陰で可愛がってくれていて、誕生日にはハンバーグを作ってくれたのだとか。
フェルンがシュタルクに腕輪を買ってあげてから宿に戻ると、
フリーレンは巨大なハンバーグを並べてお出迎え。
実はシュタルクやアイゼンが育った地方では「頑張った戦士を労う贈り物」として巨大ハンバーグを作る風習があるそうです。
それを80年前の旅でアイゼンから聞いていたフリーレンは、シュタルクへの誕生日プレゼントとしてこれを用意。
そんなアイゼンとのエピソードを聞いたシュタルクは、そこで初めて兄が毎年ハンバーグを作ってくれた意味に気付くのでした。
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森で薬草探しをしている途中、底なし沼に嵌っている男を見つけたフリーレン。
彼は近くの村で僧侶をやっている男「ザイン」で、ちょうどシュタルクが猛毒にやられていたのをあっさりと治療してくれます。
その凄まじい才能から、ザインの兄は「平凡な村で一生を終えるのではなく冒険に出てほしい」と願っていました。
ザインにも冒険者になりたいという気持ちはあるようなのですが、しかしなかなか村を出ようとはしてくれません。
そんなザインの姿に、フリーレンは
かつて自分もヒンメルに引っ張られるまで冒険者への道を踏み出せなかったのを思い出し……?
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葬送のフリーレン 3巻 感想・考察
いつもはフェルンやシュタルクに戦闘の主役を譲っている感のフリーレン。
ですが今回は強敵を相手にようやくその圧倒的な力を見せてくれましたね。
ここに80年前は勇者ヒンメル達もいて一緒に戦っていたわけですから、それはもう強いパーティーだったんだろうなと思います。
そんなフリーレンの強さや、師匠フランメとの出会い、魔王討伐を志したきっかけなど新情報が多かった第3巻。
さらにラストでは新しい仲間になってくれそうな男「ザイン」も登場するなど、見所の多い一冊になっています!
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