今回は安武わたる先生の「声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~」78話を読んだので紹介します。
この記事は高確率でネタバレを含みます。
物語の結末を知りたくない方はご注意くださいませ。
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声なきものの唄 78話 あらすじ
チヌに身請けの話が・・・?
前話ネタバレはこちら
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声なきものの唄 78話 ネタバレ
唐突に告げられた
という言葉にとまどったチヌが「若様、そりゃどげん意味でしょう・・・?」と疑問を口にすると、公三郎は、去年のうちに東陽楼のおトウさんと話し、彼女が抱えていた借金をすべて自分が肩代わりしたことを淡々とした調子で伝えます。
借金をすべて肩代わり・・!!
つまり、チヌはもはや娼妓ではなく、本人も知らぬ間に自由の身となっていたのです。
うおおおおおおおおおおお!!
どうやら公三郎は、事前に打診すれば断られてしまうだろうという判断のもと、当人に黙ったまま見世側と話をつけてしまったようです。
結果としてその考えは正しく、思いがけない話にチヌは喜ぶどころか険しい顔でポロポロと涙をこぼし始め、「なして、若様・・・!」と言いながら公三郎の頬をバチンとひっぱたいてしまいました。
チヌ・・!!!
チヌが憤ったのは、これまで幾度となくサヨリに対する想いを打ち明けてきたにもかかわらず、公三郎は自分の気持ちをちっとも理解してくれていなかったのだ・・・と感じたからでした。
お姉さんのことが・・
父親が亡くなった原因を作ったのは自分であり、すなわちサヨリが女郎に身を落としたのも他ならぬ自分のせいだと自身を責め続けているチヌは、
と自罰的な考えを抱いていたのです。
公三郎はそんなチヌを抱きしめ、「僕の妻になってくれないか」と告げると、呆然とする彼女の唇に己のそれを重ねました。
いきなり・・!!
「手切れの式」が済んで以降も公三郎への恋情を捨てられなかったチヌは、ずっと焦がれ続けていた相手の温もりを思わず受け入れてしまいそうになります。
が、すぐさま我に返ってその手の中から逃れると、「うちゃ幸せになってはいけんのや」と言いながら泣き崩れ、「もうほかの男に抱かせたくないから、女郎をやめてくれ」という彼の言葉にもただただ涙を流すばかりで、決して首を縦に振ろうとはしませんでした。
・・・。
一部始終を聞いていたたまきは、東京行きの船へ乗り込む際、見送りに来た公三郎に向かって真剣な顔で「チヌさん放してはダメ」と訴えました。
そしてチヌに対しては、公三郎からのプロポーズを断ったことを「You stupid!」と罵りながらも、「会えてヨカッタ。たのしかったデス」と穏やかな笑顔で別れを告げます。
たまきもたまきで辛いよな・・
そうして正式に公三郎との縁談を辞退したたまきが去ると、間を置かずチヌも矢津遊廓へ戻ることを決め、公三郎の不在中に1人で借家から出て行ってしまいました。
しかし栄太が出立した日以来久しぶりに顔を合わせた東陽楼のおトウさんからは、なんと
「おんしはもう東陽楼(ここ)の女郎ではねえ」
と素気なくあしらわれしまったのでした。
声なきものの唄 78話 感想・考察
78話は、なんと公三郎がチヌにプロポーズするというなかなかの衝撃回でした。
さらに、たまきが円満に身を引いただけでなく、公三郎とチヌの仲を後押しするようなことまで言い出して読者を驚かせてくれます。
ただ残念ながら、姉への負い目があるチヌは、嬉しいはずのその申し込みを断ってしまいました。
現在のサヨリがチヌに対してどんな想いを抱いているかは不明ですが、離れ離れになって間もなく瀬島に夢中になってしまった彼女が、妹の存在など思い出しもしていなかったことを踏まえると、少々複雑な展開です。
次回ネタバレはこちら
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