今回は安武わたる先生の「声なきものの唄～瀬戸内の女郎小屋～」60話を読んだので紹介したいと思います。
この記事は高確率でネタバレを含みます。
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声なきものの唄 60話 あらすじ
前話ネタバレはこちら
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おイトはチヌを恨みますが、おクマから説教されて彼女を誤解していたことに気が付きます。
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声なきものの唄 60話 ネタバレ
うむ・・。
しかしなんとそこへおトウさんに用事があったチヌがやって来て、そんなおイトの姿を目撃してしまったのです。
あっ・・。
おイトは自身が散々嫌がらせをしていた相手であるにも拘わらず、見逃してくれとチヌに縋りました。
するとチヌは笑みを浮かべて自分に任せろと答えたため、黙っていてくれるのだと思ったおイトは胸をなで下ろします。
チヌ・・？
ですがそれはおイトの考え違いでした。
チヌがすかさず「金繕い」を提案し怒りに震えるおトウさんを上手く宥めたおかげで弁償もクビも免れたおイトでしたが、本人は「うち仕返しされとんのや」とチヌを逆恨みし、ひたすら「千鳥さんひでぇ」と言って泣くばかりでした。
・・・。
いや・・でもチヌのおかげなのに・・。
そんなおイトを一喝した後、おクマは「千鳥さんはあんたんためにやってくれたんやで」と告げ、もしも自ら名乗り出なければ警察沙汰になっていた可能性もあることを懇切丁寧に説明してやります。
このおクマの説教と、その後チヌから贈り主の名を伏せて「手荒れによう効く軟こう」をプレゼントされたことで、おイトはようやくこれまで抱いていたチヌへの認識を改めたのです。
そっか・・よかったよかった・・。
こうして、さして意図したわけでもなくその人柄でおイトの敵愾心を見事に溶かしてしまったチヌは、約束通り人目を忍んで「自由廃業」についての教えを恵から受けていました。
さてその頃セツは、正式に利一と離縁出来たということを公三郎から知らされて、涙を流して喜んでいました。
さらに身請けの日にちも具体的に告げられ、彼女のために仕立てさせたという美しいドレスまで贈られたセツは、まさに幸せの絶頂にいると言えるでしょう。
そんなセツの心情を除けば順風満帆に見える公三郎との関係ですが、彼女の与り知らぬところで確かにひずみは生じていました。
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声なきものの唄 60話 感想・考察
６０話の見どころは、感嘆のため息を吐かずにはいられないチヌの場を丸くおさめる手腕と懐の深さです。
自分に対して謂れなき悪意を向けてきた相手も自然に思いやることが出来、様々な方向へしっかりと気を配れる姿は、チヌの成長や女郎としての貫禄を感じると共に、生来の心根の美しさが眩しいほどに伝わってきて、彼女には絶対に幸せになって欲しいと願わずにはいられません。
その一方で、初期のキラキラ王子様系スパダリだった面影が最早消え失せ、どんどんダメな感じの方向へ突き進んでいる公三郎からも、気になって目が離せません。
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