【原作小説(ノベル)翻訳】悪女は砂時計をひっくり返す 255話 256話ネタバレと感想。”家族”や”愛”を初めて知るアリア。

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【小説版】悪女は砂時計をひっくり返す

今回はピッコマで連載中のAntstudio/SANSOBEE先生の

悪女は砂時計をひっくり返す原作小説版 255話・256話(漫画版は82話?)を読んだので紹介したいと思います。

この記事は高確率でネタバレを含みます。先を知りたくない方はブラウザバックしてくださいませ。
また120%原作様に敬意を払いながらの韓国小説版翻訳(原作様が最高!)となり、ここではhaluの解釈(感想?いや、感情?笑)が多分に入ります。笑
正確に内容を知りたい方は是非ピッコマで原作様も合わせてお読みくださいませ!

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悪女は砂時計をひっくり返す 原作小説 255話 256話 ネタバレ

・・・の前の管理人のつぶやき。

前話ネタバレはこちらから

↓↓↓

【原作小説(ノベル)翻訳】悪女は砂時計をひっくり返す 253話 254話ネタバレと感想。エピローグ。または、新しい物語の始まり。
今回はピッコマで連載中のAntstudio/SANSOBEE先生の 「悪女は砂時計をひっくり返す」原作小説版 253話・254話(漫画版は81話?)を読ん...

255話

管理人halu
管理人halu

エピローグ、続きます!
(いや・・これ終わんの・・・?笑
アリアはクロア王国のピアスト侯爵邸(豪邸)に滞在するけれど・・?

ピアスト侯爵の屋敷は、彼らが誠心誠意用意したものとは違い、アリアにとっては少し居心地の悪いものだった。

屋敷自体が居心地が悪いのではない。
居心地が悪かったのは、ピアスト侯爵家の人々だった。
管理人halu
管理人halu

あっ・・笑

『ねぇ、デザートはお好きですか?』

特にバイオレットは彼女にとって居心地が悪かった。

『・・・はい。』

もう何回目かのその言葉に、アリアは小さくため息をついて答えた。

バイオレットは、アリアが何かするたびに「大丈夫?」「嬉しい?」などと聞いてくるのだ。

管理人halu
管理人halu

・・・まぁここに来て初孫ができたわけだしね、おばあちゃまも・・。

周りの人たちの趣味や好意を知るようになったとはいえ、彼女は部屋から出たくないほど負担を感じていた。

『シーフードは好きですか?』

『・・・えぇ。』

『それでは、夕食にシーフードを食べましょうか。あっ、そういえば、ケーキは好きですか?』

『・・・好きです。』

『それでは、クロアで一番甘くて柔らかいケーキも用意しなくてはなりませんね。ケーキには、ミルクティーが一番マッチするのよ?ねぇ、ミルクティーでいい?』

管理人halu
管理人halu

あー・・これはちょっとお節介かもね・・笑
まぁアリアのことを色々知っていきたい気持ちはわかるけども・・。

『・・・はい。』

侯爵夫人とは思えないほど、饒舌で質問も多い。

もちろん、それはアリアだけに限ってのことだ。
一緒に屋敷を訪れたカリンには、バイオレットは優雅で高貴な態度を保ち、穏やかで他の貴族と変わらないのだ。

ジェシーは、メイドたちが用意したテーブルを見て、
『侯爵夫人(バイオレット)は、本当にお嬢様のことが好きなのですね…』と言った。

アニーは、メイドたちが用意したテーブルを見て、「おいしそう!」とただ感心していた。

管理人halu
管理人halu

安定のアニー。笑

プレッシャーを感じていたアリアとは違い、ジェシーとアニーは侯爵家の人々がアリアのために尽くしてくれたことを喜んでいるようだった。

また、過剰なまでのおもてなしに、アリアではなくジェシーとアニーが贅沢を味わっていた。
管理人halu
管理人halu

笑う。

『お嬢様、このストロベリーケーキを食べてもいいですか?!』

アニーの問いかけに、アリアは何気なく頷いた。
どうせアリアは食べもしないケーキなのだから。

『あぁ…なんでこんなに美味しいの?まるで貴族のお嬢様になったみたいだわ!もう幸せ!!』

あっという間に2切れのケーキを食べ終えたアニーは、温かいミルクティーを飲みながら言った。

管理人halu
管理人halu

“クロアで一番甘くて柔らかいケーキも用意しなくてはなりませんね。ケーキには、ミルクティーが一番マッチするのよ?”

→アニーが美味しく頂きました。バイオレット涙目。

ジェシーも同意して、クッキーを口に入れた。

『簡単な給仕はするはずだって思っていたのに、私たちまでこんな風に何もしないで贅沢を楽しませて頂けるとは思っておりませんでした…。』

そう言えるのは、ジェシーとアニーが何かをする前に、
屋敷のメイドたちが新しいお茶を持ってきたり、部屋を整えたりしていたからだ。

『でも…お嬢様は…この場所がお嫌い、ですか?』

ジェシーは、アリアの表情がはっきりしないので、嫌いなのかどうかを注意深く尋ねた

ここで、はっきりと嫌いだとは言えないだろう。
ただ、あまりの好意が負担になっていたのは事実だ。

『…そうね、どうして私にここまで好意を持ってくれるのかわからないの。』

『そんなの簡単ですよ…。だってようやく会えた娘と孫娘なのですから…!』

『そう、まさにそこなのよ。私が生まれてからもう17年が経って、お互いの存在を意識したこともなかったのに、どうして急にこんなことをされるのかがわからないの。』

アリアの言葉に、ジェシーは大きく目を開いた。
アリアが自分の質問を理解していないように見えたからだ。

そこで、隣でケーキを食べていたアニーがジェシーに代わって、アリアに答えを教えてくれた。

『それは、お嬢様が家族だからです。』

『私たちが家族だから…?』

『そう!家族とはそういうものなのですよ?お嬢様がどうであれ、彼らはお嬢様のことが好きで、無償の愛で助けてくれるものなのですよ!』

『・・・。』

ジェシーは納得してうなずいた。
アリアは顔をしかめていた。

そんな存在がこの世のどこにいるっていうのよ…?
(将来)恩恵を受けられるからこそ、この家族は私に気を配っているのでしょう…?
管理人halu
管理人halu

はじめての母親以外の家族に向き合うアリアの絵、だね。アリアは自分の将来の地位とか富をこのピアスト家族は狙ってると思ってるんだね。だからここまで親切にするのだ、って。(ただ、この家族の真意はわからんのだけどさ。

チャンスがあれば自身の利己的な利益を満たすために他人を利用するのが人間であった。

現に、ミエールは父親を階段から突き落とした。
カリンは売春婦だった頃、アリアに見向きもしなかった。
管理人halu
管理人halu

・・伯爵やカインも含めて、そういうのがアリアにとっての”家族”だったんだもんね。

逆に、アリアを大切にしてくれたのは、血のつながりが全くないアースだけだった。
アースはまだ家族ではないので、
家族だからといって好意を持ってくれているわけではないだろう。
管理人halu
管理人halu

・・・なるほどね。

…時に、家族だって裏切ることもあるわ。ミエールのように。』

『それは…確かにそうですが、それはほんの一部に過ぎませんよ…?でも本当の家族なら、裏切られた後でも最後まで味方でいるものです。』

そういえば、前伯爵はミエールに裏切られながらも、最後はミエールの後を追って死んでいったという。

『・・・どうしてそう(味方で)あれるのよ…?』

どうして?裏切られたのであれば、復讐するべきでしょう?
娘とはいえ、自分が傷つけられたのだから、その悲惨な死を喜ぶべきでしょう?
管理人halu
管理人halu

伯爵は他でもない娘のミエールに裏切られたわけだからね。。

そのように、アリアが自身の家族の愛や信頼を理解していないことを示すと、ジェシーとアニーの顔が暗くなった。

2人はアリアが生まれ育った環境を思い出して思わず顔を伏せたのだ。

アリアは自分の家族も他人も同じだと思っていた。
自分が必要としているときにだけ利用できる存在だと考えていたのだ。

返答を憚っていたが、今度はジェシーが続けた。

『でも家族は・・・特にその子供は…愛する人との結晶なのです…。』

『結晶…?』

『そう、愛する人との血の結晶、とでもいいますか…。私は子供を産んだことはありませんし、正確にはわかりませんが、子供の頃によく聞いた言葉です。”ジェシー、お前はお父さんと同じ目をしていて、とてもきれいだね。”って。母はたまに私の顔に父の面影を見つけては喜んでいたものです…。』

愛する人との結晶…

その言葉を聞いて、アリアはアースの顔を思い浮かべた。

管理人halu
管理人halu

お・・。

アース様と私の間に生まれた子供…?アース様に似た子供…?
アリアはそれまで考えたこともなかった。
いや、正直ここまでのアリアにはそんな余裕はなかったのだ。

しかし今、ジェシーの話を聞いて考えてみると、それも悪くないと思えてきた。

管理人halu
管理人halu

おお・・!!

アリアは好奇心さえも抱いていた。

その子はどんな顔をしているのかしらね…?

まだまだ遠い未来の話なので、彼女は実感が湧かなかったのである。

『だから、”愛する人と一緒に生まれてきた子供には幸せになってほしい “と願うのは当然のことだと思います。自分の子供が不幸になることは誰も望んでいないはずです。こんなこと言っていいのかわからないのですけれど・・・特にお嬢様は不幸な子供時代を過ごしてきて…、それにまだ大人ではないのですから…。だからこそ、彼ら(ピアスト一家)は余計に世話を焼いてくれているのかもしれないですよ…?今までできなかったことを全部やってあげたいと思っているかもしれないです…。』

『そう…なの…?』

アリアは腑に落ちていないようだったが、ジェシーは、アリアの手を握りながら言った。

『ええ、だってあの時(出迎えた時)、彼らは感動していたじゃないですか。…でも言葉ではわかりにくいと思いますので、お屋敷にいる間に色々と体験してみてはいかがですか?彼らをこのまま避け続けないでいてみてください。』

『・・・。』

『長居するわけでもないじゃないですか。ですから、新しい体験だと思って、バイオレット夫人と一緒に軽食を楽しんだり、散歩したりしてみてください。バイオレット夫人は長い間、皇城にいたのですから、お嬢様にとっても何か得るものがあるはずですよ?』

アリアはジェシーの言葉のすべてに同意することはできなかったが、バイオレットが長い間、皇城に滞在していたからこそ得られるものがあるかもしれないという点には共感した。

こんな部屋に閉じこもりきりのつまらない一日を過ごすよりはマシだった。

アリアは居心地の悪さを覚えながらも、頷いた。

『・・・わかった。私の服を用意して、ジェシー。』

管理人halu
管理人halu

おお!よかったよかった。

散歩に行くなら服を着替えると言うアリアに、ジェシーは笑顔になった。

__

256話

軽装から少しフォーマルなワンピースに着替えたアリアは、何日も閉じこもっていた部屋から出てきた。

ジェシーとアニーはアリアの後に続いた。

アリアが何の連絡もなく突然部屋を出て行くと、
アリアと対面したピアスト邸の使用人たちは慌てて身をかがめて礼儀を示した。

アリアは彼らにとって他国からの大切な客人だった。
いや、今は主人の孫娘であり、一生仕えなければならないかもしれない存在でもある。

それに皇太子の愛人でもあり、帝国に一大勢力を築いたスターでもある。
もちろん、アリアの性格はとても優しくて良い人だと聞いてはいたが、噂は噂でしかないので言動には気をつけなければならない。
そのため、使用人たちはできるだけ身をかがめて、アリアには逆らわないようにした。
管理人halu
管理人halu

使用人たちも緊張してるわけだ。

そうしようと思っていたのだが…。

管理人halu
管理人halu

え・・・?笑

『ねぇ、侯爵夫人がどこにいるか知っていますか?』

廊下を通りかかったアリアは、腰をかがめていた使用人にふと尋ねた。

使用人は驚いていたが、すぐにいつものように礼儀を示して丁寧に答えた。

『ご夫人は…庭を散歩しています。』

『どの庭ですか?』

『えぇ、1階の玄関からすぐのお庭でございます。』

『ああ、私の部屋から見える大きな庭ね。教えてくれてありがとう。』

アリアは柔らかな笑顔でお礼を言い、優雅な足取りで消えていった。

『・・・ああ、なんてことだ。』

アリアが目の前から消えたとき、緊張していた使用人は感嘆の声を上げた。

普段であれば、主人と勝手に話すことという、
軽薄なことをしてしまうと他の使用人に叱られてしまうのだが、今日は違っていた。

むしろ、アリアと何を話したのかと思った他の使用人たちは、その理由を尋ねてきたのだ。

『おい、お嬢様は何か不都合なことがあると言っていたのか?』
『あの方はは何を必要としているのだと?』
『叱られたのか?』

これらの質問は、厳格なピアスト侯爵の孫娘がそのような性格を持っているのではないかという憶測から生まれたものである。

管理人halu
管理人halu

なるほど。屋敷ではピアストは厳格なんだ。でだから使用人もいつもピリピリしてるのね。

また、アリア自身が屋敷に到着してからというもの部屋にこもり、食事の時以外は誰とも付き合わないということからも、そう思うのも当然だった。

その質問に、アリアと会話をしていた使用人は、ゆっくりと首を振って、

『いえ…ただ…侯爵夫人様はどこにいらっしゃるのかと聞かれました…。』

と、モヤモヤした表情で答えた。

『お嬢様は侯爵夫人を探しているのか…?』
『それは本当か…?』
『お嬢様は気まずそうにして、侯爵夫人を避けていたが…。』

屋敷の誰もが気づくほどのことだった。

それぞれが気になったが、使用人は続けた。

『…そして、お嬢様に尋ねられたことにお答えした後で…、お嬢様は私に感謝したのです…。』

そう、アリアは使用人に感謝を述べていたのだ。

管理人halu
管理人halu

・・・?普通じゃないの?

アリアはロースチェント伯爵家では使用人に何かあったときはお礼を言うようになり、今ではそれが習慣になっていた。

ただ、ここでは違う使用人はアリアが知るべきことを話しただけなのに、お礼を言ったことに驚いていたのだ。

それは、この使用人が仕えていた先代の主人からも無く、生まれて初めて聞いた言葉だった。
管理人halu
管理人halu

・・・そうなんだ・・。

『噂はただの噂だと思っていましたが、彼女はまさに噂の性格そのものだ…』

管理人halu
管理人halu

しかも、アリアの噂が”女神”みたいな最高なもので広がってるのが、変わったんだなぁ…ってしみじみするとこね・・。

驚きと静けさに包まれた廊下で、一人の使用人が目を輝かせながら静かに復唱した。

噂は、自分に危害を加えようとした悪女に情けをかけ、自分が高く評価した才能を持つ庶民を大いに支援するという性格のことであった。

『本当にそんな人だったのか……。』

彼ら使用人は、アリアが自分たちの主人であってほしいと願った。
慈悲深い主人の下で働くことほど、使用人にとって幸せなことはない。

『で?そのアリア様は侯爵夫人のいる庭にいらっしゃるのか?』

『えぇおそらく…』

使用人の答えに、互いに無言で警戒していた他の使用人たちは、庭の窓に急いだ。

それは、侯爵夫人が歩いている庭を見下ろす窓だった。

そこには、まだ怒ることを知らずに、のんびりと花園を散歩している侯爵夫人の姿があった。

『新しい主人であるアリア様は、なぜバイオレット夫人を探そうとしたのだろう?』

彼らはそれが良いことであることを望んだ。

管理人halu
管理人halu

そうだね・・・!!

そう思った使用人たちは、赤い頬とドキドキした心で窓の外を見つめていた。

__

__

『ピアスト侯爵夫人』

バイオレットに近づいたアリアは、静かに彼女を呼んだ。

管理人halu
管理人halu

きた・・・!!

バイオレットはすぐに振り返った。
まさかここにアリアが来るはずないと思っていた彼女は驚いていた。

『…アリアお嬢様?!』

『…一緒にお散歩してもいいですか?』

もちろんよ・・・!

というより、バイオレットはアリアと一緒にそうしたいと何度も考えていたので、慌てて頷き、アリアに隣に来るように合図した。

『…はい…!!
ここはお屋敷の中でも一番美しいお庭です。ぜひご一緒しましょう。』

『ありがとうございます、奥様。今日は寒いですね。』

『えぇ。冬はもうすぐそこまで来ているのですね。この晴れた日にお散歩しないと、もう外に出るのがつらいですよね。お嬢様も日中に散歩してみてはいかがですか?ここ以外にもたくさんの庭園がありますから、いつでも静かなお散歩が楽しめますよ。』

アリアはとても短い挨拶をしたが、
伯爵夫人はなんとか話を続けようとしているかのように、とても長い返事だった。

管理人halu
管理人halu

お節介だけど、なんか憎めないんだよな・・笑

そして、バイオレットはアリアが自分を避けていることに気づいていた。
管理人halu
管理人halu

あ・・。

バイオレットはアリアに、一緒に散歩しようと誘うのではなく、いつでもどこでも一人で散歩していいのだと間接的に伝えたのだ。

『そうなのですね。ありがとうございます。そうですね…寒くなる前に、いろいろ見てみようかしら。』

アリアは、部屋に閉じこもることに疲れていたので、静かにうなずいた。

散歩しがいのある美しい庭だったので、思わずうなずいてしまった。

『これは、彼(侯爵)が私のために作ってくれた庭なのです。
私は外に出られなかったので…。ですので、このお屋敷の庭はとてもきれいなのですよ。』

いろいろな不幸が重なって外に出られなくなったのはバイオレットも、クロエも同じだった。彼らはずっと屋敷の中で暮らさなければならなかったのだ。
管理人halu
管理人halu

・・そうなんだ・・。この辺りの事情は語られてないよね・・?

『そうなのですね・・。』

『えぇ、だから、この美しい屋敷をあなたも末永く楽しんでほしいなって思います。』

管理人halu
管理人halu

・・末永く・・。

『・・・。』

アリアは、結婚式が終わったら帰らないと思っていたので、答えなかった。
彼女が考えていたのは、一刻も早く帝国に戻ることだったからだ。

__

__

『その…、私のことは…お嫌いですか…?』

会話が途切れたため、しばらく黙っていたバイオレットが笑顔でアリアに聞いてきた。

管理人halu
管理人halu

・・・。

アリアが何日も部屋にこもっていたのだから、居心地の悪さを感じたのだろう。

『…その…少し。こんなに私に注目してくれる人は初めてですので…。』

バイオレットの率直な質問に、アリアは素直な気持ちを表した。

バイオレットが何か望んでいることがあれば、アリアはそれに応じて反応するはずだが、バイオレットがアリアに何も望んでいなかったので、余計に負担になっていたのだ。
管理人halu
管理人halu

意図がわからない、と・・。(家族ってだけなんだけど、アリアにはそれが難しいみたいだね。

少し驚いた様子のバイオレットは、穏やかな顔で自分の気持ちを説明した。

『そうですか…。私は17年ぶりに孫娘に会ったばかりのおばあさんですので、騒いでしまったのでしょうね。その…予想もしていませんでしたから…クロエに娘がいるなんて……さらに、そっくりで、こんなにきれいな子がいるなんて。』

バイオレットは、自分の孫になどもう会えないと心底思っていたに違いない。

息子のクロエは長い間たった一人の女性を恋しがっていたし、遠くの噂でしか聞いたことのない長女のフレイは結婚から遠ざかっていたからである。

管理人halu
管理人halu

フレイ、裁判官だね。

しかも、バイオレットは過去に幸せな結婚生活を送っていなかったので、子供たちに結婚を強要する立場にはなかったのだ。

ただ、健康で幸せに暮らしてほしいと願っていただけので、孫娘に会えるとは思ってもいなかった。

管理人halu
管理人halu

・・バイオレットは不幸せだったんかね・・。
おい、ピアスト・・笑。
でも屋敷から出れなかったみたいだしね・・。

『今までできてなかった分、できることを全部やりたいと思って、あなたに話しかけたりしてしまいました…。迷惑をかけたり、あなたを不快な思いにさせてしまっていたら本当にごめんなさい…。』

バイオレットは謝りながら、彼女の顔色を読んだ。
アリアにリラックスしてほしい、という希望があった。

でも…血縁関係で結ばれているとはいえ、
どうして一国の侯爵夫人が、この娼婦の娘である私みたいな小さな孫娘に低い立場をとるのよ・・?

どうしても理解できないので、アリアはバイオレットに思わず聞いてしまっていた。

『血のつながりとは…そんなに大事なものなのでしょうか…?
昨日今日ではじめて会った女性にこのような感情を見せれるほど…。』

それはずっとアリアの顔に出ていた質問で、バイオレットは困惑せずに静かに答えた。

『…そうですね。私は孫娘を持ったことがなかったから、他の人のことはわからないのですが…。ただ、自分自身は、愛情や愛おしい気持ちでいっぱいになってしまうのです。』

管理人halu
管理人halu

・・・おばあちゃま・・・。

『何の対価もなしに、ですか?』

『えぇ、そうです。 孫娘に対価を求めるなんて、とんでもないことです。いえ、ああ・・・たぶん私は、こうしていることが幸せで、それが対価なんだと思います。私はただ、あなたに健康でいてほしいのです。』

そう言うバイオレットの表情は切実だった。

『・・・それは愛の結晶だから?』

ジェシーの言葉を思い出してアリアが尋ねると、予想外の質問だったのか一瞬口を塞いでいたバイオレットが、すぐに明るい笑顔で「はい」と答えた。

『とても素敵な表現ですね。はい、私の愛する人との結晶であるクロエは、恋人と出会い、私と同じように結晶を得たのですよ。』

『・・・。』

『そして、私の子供の分身ようなものでもありますから…。あなたはそう思っていないかもしれませんが、あなたの耳は私にそっくりなのですよ?』

『・・・私の耳?』

驚いたアリアは、自分の耳に触れて、バイオレットの耳に目を向けた。

少しだけど柔らかいカーブを描いた耳が見えた。

管理人halu
管理人halu

耳・・。

アリアは自分の耳をよく見たことがなかったので、少し恥ずかしくなった。

『えぇ、よく見ると、そうなのですよ?耳たぶにかわいいシミがあるのも似ています。クロエの耳にもあります。カリン様にはないかもしれませんね?』

アリアの視線はバイオレットの耳に向けられた。
すると、彼女の耳たぶに小さな点があるのがわかった。

それはアリアの耳にもあるものだった。

管理人halu
管理人halu

・・・おばあちゃま確定、だね・・。
アリアはここではっきり気付いたのかもね。今まで誰かに言われてただけだったから・・。

アリアはそれを見つけたとき、不思議な気持ちになった。
初めてクロエを見たときに違和感を感じたがそれに似ていた。
また、バイオレットの顔をゆっくり見ていると、バイオレットがクロエと自分に似ているような気がしてきた。
似ていると思ったら、いろいろなものが目に入ってくるようになった。

『誰だって自分の分身や子供は不幸にしたくないでしょう?他の人がどう思うかはわからないけど・・・少なくとも私はそう思っています。』

『・・・そう、ですか…。』

『えぇそうよ?だから私の”無償の好意”をあまり負担に感じないでほしいのです。それが家族というものですから。でも、どうしても気になるようなら……私の態度を改めますね。』

バイオレットがそうすると答えてくれれば楽なのだが、アリアにはそれを言うことなどとてもできない。

管理人halu
管理人halu

そっとしておいてくれ、ってことだね。

しかし、それを言うことができなかったのは、優しく微笑みながら手を握っているバイオレットの笑顔が目の前にあったからでもあった。
バイオレットの笑顔は、無償で親切にしてくれたサラを見ているような錯覚を覚えた。

サラもアリアに何かを期待していたのかもしれないが、少なくとも今までは、いつも自分に正直に接してくれたサラは、何かの対価を求める女性ではなかった。

管理人halu
管理人halu

うむ・・!

『・・・その…もう少しこのまま居させて頂いて、その際にまだ気になってしまうようでしたらお伝えいたします。…結婚式まではまだ数日ありますから、それまではお屋敷にいなくてはなりませんから…。』

管理人halu
管理人halu

これがアリアの最大限の譲歩、っぽいね。よく頑張った。

『えぇ、ありがとうございます、アリアお嬢様。』

管理人halu
管理人halu

うん・・なんかいい感じじゃないか・・安心したよ・・。

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悪女は砂時計をひっくり返す 原作小説 255話 256話 感想・考察

今話ではアリアがピアスト侯爵家での滞在を通じて、”家族”や”愛”を知る話となりましたね。

管理人halu
管理人halu

いや・・最終話までの惨劇を見てきたから物語が平和で穏やかすぎて別の世界に飛ばされたのかと錯覚するわ・・笑 それでも家族という家族を持ったことがないアリアの葛藤が描かれていた回だったね!

アリアは今まで近づいてくる人間や自分自身も含めて、他人と関わる時は常に、目の前の人間が望んでいる物・対価はなんなのか、って考えてしまう癖があったようですね。

管理人halu
管理人halu

生き残るためだもんね。自分もそういう目で人を見てたし、見てたからこそ、そういう人が集まってきていた。

しかし、そのアリアの思考の枠を外れる存在の“無償の愛を与えてくれる家族”が目の前に現れて困惑していました。

管理人halu
管理人halu

アリア絶賛葛藤中、だね。
でもこれがアリアの中で腑に落とすことが出来たら名実ともに聖女になれるかもだよね。偽る必要なんてない。アリア自身の幸せにつながればいいなぁ。

次回、クロエとカリンの結婚式、でしょうか。

次回も気になります・・・!!!

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管理人halu
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待望のコミックスは2021年11月05日発売・・!!

次回ネタバレはこちらから!

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【原作小説(ノベル)翻訳】悪女は砂時計をひっくり返す 257話 258話ネタバレと感想。カリンとクロエの結婚式・困惑するアリアを揺動するローハン。
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コメント

  1. るる より:

    この辺りが特に詳しく知りたかったのです。とてもうるうるしながら読んだしまいました。続きも楽しみにしております。本当にありがとうございます。毎日の楽しみで、何度も読み返しております。日々の活力をありがとうございます!!
    できれば、外伝もネタバレしていただけると嬉しいです。

    • halu halu より:

      るるさん
      初コメありがとうございます!
      ものっそい嬉しいです…!頑張りますうううʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ

  2. たこやき より:

    漫画版を読んでいて「なんでアリアの耳にホクロ描いてあるんだろう。ニッチな趣味だな…」と思っていたものがここで伏線だと判明して反省しました。
    漫画版担当者の個人的なフェチだと思っててごめん。

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