今回は二ノ宮知子先生の「七つ屋志のぶの宝石匣」11巻を読んだので紹介したいと思います。
あの大人気漫画『のだめカンタービレ』の二ノ宮知子先生の漫画です。
東京下町の老舗・質屋の娘・志のぶとイケメン宝石外商・顕定(あきさだ)が織りなす、ドキドキの人間ドラマです!
この記事は高確率でネタバレを含みます。先を知りたくない方はブラウザバックしてくださいませ。
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七つ屋志のぶの宝石匣11巻 ネタバレ
前巻はこちら↓↓↓
北上家の家宝が「赤い石」ではなかったかもしれないと動揺する北上顕定。
久世鷹臣は乃和と接触し、
キーパーソンである乃和の兄、青山菖蒲を調べるため渡米します。
顕定から柿ノ下先生の一件を鷹臣に報告しておくように言われた倉田志のぶは鷹臣の店へ。
そこへ鷹臣の姉、芙美子が現れるも、持病の喘息の発作が起きてしまいます。
吸入器を忘れた芙美子を、志のぶは川村虎徹とともに鷹臣の実家へ送って行くことになりました。
母性溢れる鷹臣の母、佐和子にも出会い、鷹臣の不思議な浄化能力も納得。
芙美子も石好きで、コレクションを見せてもらっていると、芙美子を心配した婚約者、橘洋之助が駆けつけます。
洋之助はドイツのオーケストラ所属のヴァオイオリニストで、芙美子に一緒にドイツに来て欲しいとプロポーズをします。
紆余曲折あったものの、婚約することとなり、何も知らず帰国した鷹臣はパーティー後の惨状に呆然。
クリスマスシーズンに突入。
質屋の倉田屋はクリスマスプレゼントを巡り様々な人間模様が繰り広げられ、大忙しの志のぶ。
顕定の勤める高級宝石店「デュガリー」も乃和がイメージモデルをつとめたペンダントが大人気。
鷹臣のアンティークジュエリー店では、鷹臣に自分へのジュエリーを選んでもらいたい女性客で大繁盛。
そんな中、虎徹は鷹臣の携帯に届いた乃和からのメッセージを見てしまいます。
年が明け、
「乃和、デュガリーのイケメン店員と寿引退!?」の報道が出て、世間は大騒ぎ。
マスコミに顕定とのことを否定するも、「乃和、失恋引退!?」と報じられる始末。
このニュースを知り、妹のことを心配する菖蒲。
一緒にいた西瞳は、なぜ敵同士となる妹と顕定のことを応援するのか不思議でなりません。
菖蒲は、父親がしたことを誰も知らなければ妹達には関係ないことだと笑い、妹の幸せを守るためなら何でもやると言ってのけます。
乃和は母親の形見のオニキスのペンダントを眺めながら、子供の頃を思い出していました。
父親の浮気によって、母親の実家があるフランスに菖蒲と行くことになったこと。
成長し、兄から父親が偽物の宝石を売る詐欺師であることを聞きました。
母親が病気で倒れても養育費を払わない父親に代わり、母親を支えるため猛勉強する菖蒲。
だが突然、父親に誘われて一緒に商売を始めると言って出て行ってしまいました。
マスコミから逃れ、ひっそりおむすび屋で食事をしている乃和の前に顕定が現れます。
顕定から記者の一件は菖蒲の差し金であることを知った乃和は、やはり兄は理解できないと痛感します。
引退する決意をさらに固め、顕定に「今まで色々とありがとう、さようなら」と告げ、姿を消しました。
志のぶの店で石の鑑定をしてもらっている虎徹。
鷹臣と乃和のことで自分の存在に自信を失いつつある虎徹に、志のぶは虎徹はラッキーを拾ってくる大事な存在であることを伝えます。
志のぶの言葉に励まされた虎徹は仕事でタイへ帰ることにしました。
空港で同じく仕事でタイへ向かう宝石通販会社社長の坂本万太郎と再会します。
虎徹は、27年前の北上家でのパーティーの芳名帳に坂本の名前があったことを思い出しました。
坂上は顕定の父、俊明の後輩で俊明の弟、義実の「石友」だったと言います。
義実から石友の女性(おそらく加治木晴子)を紹介すると言われていたのに、その女性は別の男性にナンパされ消えてしまったと悔しそうに語ります。
その男性は、坂上の大学時代の友人でとんでもない女たらしの見浦銀一だとわかりました。
そして坂本は晴子だけでなく、大学時代に好きだった青山エリさえも銀一に取られしまったと虎徹に愚痴ります。
虎徹は、乃和のことを話してくれない鷹臣にこのことを報告するべきか悩み、志のぶに打ち明けます。
志のぶが何やら虎徹と内緒の話をしているらしいことに気付く顕定。
鷹臣はロサンゼルスで菖蒲の会社を出入りする人物を撮影したデータを乃和に送信します。
チェックした乃和から52番目に写っている人物が旧姓・青山、見浦銀一であると連絡がきました。
志のぶは、鷹臣に乃和と何の何のやり取りをしているのか虎徹が気にしていることを告げます。
鷹臣から、菖蒲と父親の銀一が合成ダイヤに関わっているらしきことを乃和から聞いたと教えてもらいます。
志のぶは、虎徹と乃和たちの父親が同じかもしれないことに気付きます。
鷹臣は志のぶに、菖蒲と銀一のことは顕定には秘密にして欲しいと頼むが、打ち明けるタイミングは志のぶに託します。
志のぶは皆が顕定を思うあまり、顕定の知らないことが増えていくことが気にかかります。
百合江は、虎徹と何やらコソコソしている志のぶをしっかりを捕まえておくよう顕定に忠告します。
顕定は「志のぶは間違えない」から自分は関わらない方がいいと答えます。
そんな顕定はデュガリー展のオープニングパーティーの招待メールを菖蒲宛に作り、「オレは間違えてないか」と思うのでした。
志のぶは顕定に持たせているレッドベリルを確認するが、何も感じ取れないことに不安を感じます。
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七つ屋志のぶの宝石匣11巻 みどころ
久世鷹臣の姉、芙美子が所属する市民楽団のコンサートの指揮者はなんと片平元でした。
作者・二ノ宮和子の代表作「のだめカンタービレ」にも出てくる片平です。芙美子の「とっても個性的な指揮」とは、のだめをご存知の方はクスリとしてしまうこと間違いなしです。あの「片平ジャンプ」がきちんと描かれています。
ちなみに鷹臣の兄、尚生は人気ドラマの主題歌を手掛ける作曲家で片平の友人であることが話されています。
このコンサートで芙美子は婚約者の橘洋之助のプロポーズを受ける決意をします。
ですが洋之助の父親が久世家の調査書類を見ながら、鷹臣が宝石関係者であることに難色を示します。
父親が何者かはまだ明かされてはいませんが、財政界の大物であることは間違いなさそうです。
年末年始の商戦話では、倉田屋ではお馴染みの捕物劇があります。
田舎から上京してきた父親が娘のプレゼントを選ぶというほっこり話から一転します。
指名手配されている犯人が盗品を倉田屋に持ち込みます。
志のぶはいつも通り、警視庁刑事部捜査第三科のしょーちんに連絡します。
ケーキやコーヒーで犯人の気を引くも、勘のいい犯人に気付かれ、逃走されてしまいます。
志のぶの「ドロボー!」の叫びに、町内の人々が協力し、無事確保することができました。
乃和の引退報道が流れる中、乃和と青山菖蒲の過去が明らかになります。
乃和は父親に買ってもらったおもちゃの指輪を大事にしていました。
だが浮気されたことに激怒した母親に壊されてしまいます。
母親の実家があるフランスに行くことになり、菖蒲は乃和に「フランスのかわいい指輪を買ってやる」と約束します。
母親が心労と過労で倒れ、菖蒲は家族のために有名大学に入りMBAの資格を取ると猛勉強します。
だが、あんなにクズだと言っていた父親から商売に誘われ、さっさと出て行ってしまいます。
乃和は「クズって遺伝するの!?」と兄のことが全く理解できませんでした。
それは現在、自分や顕定を振り回す兄を理解できないことに通じるのかもしれません。
それは乃和と菖蒲の父親であり、もしかすると川村虎徹の父親かもしれない見浦銀一。
虎徹の引きの強さは宝石だけじゃなかったようです。
知り合いの宝石通販会社社長の坂本万太郎が、顕定の父親の大学の後輩で顕定の叔父の同級生で、見浦の大学時代の友人でした。
そしてなんといっても27年前の北上家のパーティーの出席者でもあったのです。
おまけに坂本は三浦に乃和の母親である青山エリ、虎徹の母親の加治木晴子までも先を越されてしまいます。
このすごい偶然の連鎖を知るのは志のぶ、虎徹、鷹臣のみです。
志のぶは、鷹臣にこのことを顕定に話すタイミングを任され、「君は僕のホルスの目」だと言われます。
皆が顕定を思うあまり内緒にすることが増えていく中、顕定は菖蒲に近づこうとしていました。
クリスマスシーズンに突入し、志のぶは親友から「親公認だからクリスマスは顕定とお泊まりデート?」と突っ込まれます。
志のぶは、自分も顕定もクリスマス商戦でそれどころではないと帰って行きます。
とは言うものの、顕定と乃和がどうなっているのか、チラリと気になります。
大晦日、親友からハッピーニューイヤーのメッセージを見た志のぶは、自分の家のこたつで寝る顕定と百合江を見て、
「クリスマスじゃないけどお泊まりしてるよ、親公認で」と心の中で呟く志のぶがすごく可愛く見えます。
普段は質屋の仕事も手伝い、高校生とは思えぬ思考や発言が目立ちますが、とても普通の女子高生らしさが出ている気がします。
この巻ではミステリー部分の謎に一歩近付く展開ですが、志のぶの顕定に対する思いや考えが虎徹を通して素直に語られているところも注目して読んで欲しいです。
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