今回は安武わたる先生の「声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~」79話を読んだので紹介します。
この記事は高確率でネタバレを含みます。
物語の結末を知りたくない方はご注意くださいませ。
↓↓↓
声なきものの唄 79話 あらすじ
公三郎がチヌにプロポーズうううう!!!!
どうなる・・?これどうなる・・・?!
前話ネタバレはこちら
↓↓↓
声なきものの唄 79話 ネタバレ
公三郎からのプロポーズを断って東陽楼へと帰ってきたチヌに対し、おトウさんは「おんしはもう自由の身。東陽楼の女郎やねえ」と言って彼女の復職を認めませんでした。
プロポーズは断ったチヌ・・。
しかし、「うちゃ筋は通してえです」となおもチヌが食い下がったため、仕方なく「自前女郎」として働くことを提案します。
自前女郎・・。
ただし、怪我をして入院するまで使用していた二枚目用の部屋へ戻ることは許されず、納戸を個室として与えられた上、3円だった玉代は2円へと下げられてしまいました。
“自分の価値”と言ってもいいものも、どんどん下げられていく・・。
さらに、借金がなくなったにも拘わらず娼妓を続ける選択をしたことを知った仲間たちからは一転して蔑むような目を向けられ、復帰後初めての客からは腹に残った傷について「なんやこりゃ気色わりぃっ」と罵られてしまうなど、チヌの眼前に厳しい現実が突きつけられます。
しかも、ショックを受けて落ち込むチヌに対して周囲の反応は冷ややかで、トシからは「ここで商売しづれェんならいつでん余所を紹介するで?」とまで言われてしまったのです。
他のところも選択肢に・・。
これにはさしものチヌもショックを受けますが、栄太が去り、美緒も染花の下についている現在、誰もそんな彼女をなぐさめたり励ましたりしてはくれません。
己の覚悟が足りていなかったことを痛感し、思わずポロポロと涙をこぼし始めたチヌの前に現れたのは、彼女が東陽楼へ戻ってきたと聞いて顔見世によったらしい後藤田でした。
後藤田・・・!!
自らはねのけておきながら、今もなお、チヌの心は公三郎を強く求めていました。
しかし、気持ちが沈んでいる時に明るく笑いかけ、刺された痕を見ても厭うどころか優しく舌を這わせてくれた後藤田に、チヌはまるで縋りつくように抱かれます。
ああああああああ・・
そんなチヌに後藤田は「若様はこねえんかい?」と尋ね、彼女が「もうお見えにゃなられんと思います」と答えると、内心で(見損なったわ若様め)と公三郎を罵りました。
そして、彼と別れてしまったのならば、チヌがかつての位置に返り咲けるよう自分が尽力してやろうと考え、「千鳥太夫にゃどしてんこん部屋は似合わねえ。すぐと元ん部屋へ戻したるわっ」と宣言します。
この時後藤田は、不本意ながらもチヌのために、以前彼女の「旦那候補」であった面々にも協力をあおごうと意を決していました。
ところがチヌは後藤田の「千鳥太夫にゃ似合わねえ・・・」という言葉を聞いて彼女なりに思うところがあったらしく、なんと翌日の顔見世にすっぴんにお下げ髪、普段使いのものと変わらぬような簡素な着物姿という出で立ちで籬の中に並んだのでした。
え。。。
声なきものの唄 79話 感想・考察
79話の見どころは、辛い思いをしている時にタイミング良く現れた後藤田に、チヌの心が思わず動かされてしまうシーンです。
とりわけ、直前に別の男性から「気色わりい」と言われてしまったチヌのお腹に残った傷痕を、まるで労るように後藤田が舐める場面は、とても色っぽくてドキドキさせられます。
東陽楼のおトウさんや姐さんたちから予想だにしていなかった冷遇を受けてメンタルが弱っている上、公三郎も栄太もそばにいない今、頼りになる後藤田にチヌが惹かれてしまう展開もあるかもしれません。
次回ネタバレはこちら
↓↓↓
コメント