今回は安武わたる先生の「声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~」73話を読んだので紹介します。
この記事は高確率でネタバレを含みます。
物語の結末を知りたくない方はご注意くださいませ。
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声なきものの唄 73話 あらすじ
前話ネタバレはこちら
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声なきものの唄 73話 ネタバレ
本日は盛田医師による往診の日です。
包帯の交換が終わり、「キズの経過もよいですな」と声をかけられたチヌは、思い切って「あの~~先生、矢津へ帰りてえんですけど・・・」と切り出しました。
チヌ・・帰りたいよね・・
しかし、悩むそぶりもなくアッサリ返ってきた答えは「一刻(2時間)も俥で揺られるのは感心せんなあ」というもので、チヌは
と肩を落とします。
そんなチヌの沈んだ表情を見てなにかを察したらしい盛田医師は、看護師相手に思わず「どういう了見だろうな若水氏も。なじみの娼妓と婚約者を同居させとるとは」と呟いたのでした。
ほんとそれよ・・。
彼女が突然「ちょうどいい機会です。家事全般お仕込みいたしますわ!」などと両者に向かって言い出したのは、家の中を支配する重苦しい空気を少しでもどうにかしようと考えたからでしょう。
にこやかながら有無を言わせぬ迫力のあるキヨに押し切られる形で、チヌもたまきもまずは掃除の仕方を教わることになりました。
チヌ、家事お掃除のお手伝いさんに。
でもこんなことでうまくいくかな・・。
でしょうよ・・。
それどころか、仕上げに床を拭いていた際にチヌがうっかりたまきの本の上へ雑巾を落としてしまい、汚しては大変だと慌てて手に取ったところを見咎めたたまきは、「Don’t touch! my precious book」と冷たく言い放ちながら本を奪い返した後、キヨに「チヌさんワタシの荷物いじってらしテ・・・」と報告したのです。
“私の大切な本にさわるな!!”だね・・。
自分が悪事を働こうとしていたと言わんばかりのそのセリフを聞いて青ざめたチヌは、次の瞬間聞こえてきた「千鳥ィ、見舞いに来たでエ」という後藤田の朗らかな声に、思わず脱力しポロッと涙をこぼします。
後藤田がタイミング良くきた・・!笑
仕事に復帰する目処が立たないことや公三郎との曖昧な関係によって、チヌの心は知らず知らずの内に追い詰められていました。
そんな時に会いに来てくれた馴染みの顔を見て安堵からつい笑みを浮かべても、それは致し方ないことでしょう。
チヌ・・。
ただ、遊廓とそれに関わる人間を忌み嫌っているたまきにとっては、女郎とその客が「公三郎お兄様のおウチ」にいることが我慢ならなかったようです。
怒りもあらわに2人のやり取りを「汚らわシイ」と謗ったたまきでしたが、後藤田から冷静に反論されて一層頭に血を上らせます。
・・・。
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