今回は安武わたる先生の「声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~」72話を読んだので紹介します。
この記事は高確率でネタバレを含みます。
物語の結末を知りたくない方はご注意くださいませ。
↓↓↓
声なきものの唄 72話 あらすじ
前話ネタバレはこちら
↓↓↓
なんとチヌとたまきが1つ屋根の下で暮らすことになって・・
すると徳次は2人の会話までバッチリ聞こえていたにも拘わらず、悋気を起こすどころか巴の願いを叶えて欲しいと久米親分へ頭を下げたのです。
しかしそれで巴が喜べるはずもなく、むしろ彼女は徳次に対し怒りをあらわにしたのでした。
しかし己の失敗をその染花にさりげなくフォローされてしまい、チヌ不在の心細さも相まって、気の強い美緒もたまらず泣いてしまったのでした。
声なきものの唄 72話 ネタバレ
しかも巴は久米親分を口説いている決定的瞬間を徳次に目撃されてしまって・・
自分の「身揚がりの客」として東陽楼へ来て欲しい・・・と久米親分に対して告げていたところへちょうど徳次がやって来て、巴は今の会話を彼に聞かれてしまったか?と思わず顔を青ざめさせます。
どうだ・・?
しかしすぐに笑顔を取り繕うと徳次の働きぶりを労い、さもなんの含みもないような調子で「こちら・・・えろうお世話になっとる黒川組の久米親分さんや」と隣に立つ久米親分のことを彼に紹介しました。
。。。
それから巴は徳次を指して「うちの幼なじみ」だと久米親分に説明します。
「幼なじみ」・・
以前いいなずけがいるという話を巴から聞いていた久米親分は、すぐに目の前の徳次がその人だと気付き、彼に向かって「矢津中の男の怨嗟の的になろうたあ度胸あるご仁ですな。何せ天女が女房になるようなもんや」と声をかけました。
気付かれた・・
すると徳次は静かに笑みを浮かべながら「いえ、お嬢さんはお嬢さんですけん」と久米親分の言葉を否定してみせたのです。
えっ・・・。
思わぬ徳次の返答に巴の心は動きますが、その直後彼が口にした台詞を聞いてその顔はたちまち怒りに染まります。「どうぞ・・・お嬢さんの“身揚がり”のお望みも受けたってくだせえ」などと言いながら久米親分に頭を下げたのですから、気位の高い巴が激昂するのも無理からぬことでしょう。
あわあわあわ・・・!!
感情に任せてピシャッと徳次の頬を張り、すかさず「おこがましいわ!」と怒鳴りつけると、巴は久米親分の腕を引きさっさとその場を後にしました。
久米親分の「ずいぶんと寛大ないいなずけや」という呟きにも「徳次は寛大やない。ただの阿呆ですわ」と冷たく吐き捨てます。
しかしその心中は複雑で、嫉妬を見せない徳次に対し
ともどかしさを感じていたのでした。
巴・・。
コメント